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育毛剤と発毛剤の違いとは?女性の育毛剤おすすめ成分とは?

「育毛剤」と「発毛剤」という言葉はよく耳にしますが、その違いをご存知でしょうか? どちらも薄毛や抜け毛対策として使用されますが、期待できる効果や対象となる症状には明確な違いがあります。
また、育毛剤を選ぶ際に、成分が多く含まれていて「どれを選べばいいのかわからない」と悩む方も多いかもしれません。
そこで今回は、育毛剤と発毛剤の違いに加え、女性向け育毛剤に含まれるおすすめ成分について詳しく解説していきます。
育毛剤と発毛剤の違い
育毛剤と発毛剤の違いを簡単に説明すると、育毛剤は「今ある髪を守り育てる」もの、 発毛剤は「新しく髪を生やす」ものという違いがあります。また発毛剤は「医薬品」で、育毛剤のほとんどが「医薬部外品」という違いもあります。
それぞれの特徴や違いについて、発毛剤から詳しく見ていきましょう。
発毛剤とは

発毛剤は「新しく髪を生やす」ことを目的とした医薬品です。毛根を活性化させ、髪が抜けてしまった頭皮に新たな髪を生やす効果があります。
発毛剤は、病院やAGAクリニックで医師の処方により入手できるほか、一部の製品はドラッグストアでも購入可能です。ただし、ドラッグストアで購入する際は、薬剤師との対面販売が必要となります。
発毛剤の主な主成分は「ミノキシジル」という成分で、頭皮の血流を促進し毛母細胞や毛包を活性化させることで、髪の成長を促す作用を持っています。そのため、薄毛や抜け毛に悩む方にとって、発毛をサポートする重要な選択肢の一つとなっています。
ミノキシジルは発毛効果が期待できる一方で、副作用のリスクもあるため正しい使用方法を守ることが重要です。使用前に医師や薬剤師に相談するか、購入した発毛剤の説明書に記載されている使用方法をしっかりと確認し、自分に合ったケアを行いましょう。
ミノキシジルの歴史
- ミノキシジルは「高血圧」の経口治療薬として1950年代後半~アメリカで開発されました。しかし服用した患者の多くに「体毛が濃くなる」副作用が発生したことから、外用薬として使用する研究が開始されました。
育毛剤とは

育毛剤は「今ある髪の毛を健康に保ち、抜け毛を防ぎ、太く・丈夫に育てる」ためのものです。そのため、まだ髪の毛が生えている人向けに使用されることが多いです。
育毛剤のほとんどが医薬部外品に分類されおり、厚生労働省が認めた有効成分が配合されていて、承認された効能や効果を表示できる製品のことを指します。そのため市販などで入手しやすく、価格もリーズナブルで手が届きやすいメリットがあります。
育毛剤は4つの効果が期待できます。
- 頭皮の血行促進→髪の毛に必要な栄養を届きやすくする
- 毛根の活性化→髪の毛の成長をサポート、健康的な髪の毛を育てる
- 保湿効果→頭皮の乾燥を防ぎ、頭皮環境を整える
- 抜け毛予防→髪の毛を抜けにくくする
発毛剤と育毛剤を分かりやすく違いをまとめてみました!
比較項目 | 発毛剤 | 育毛剤 |
---|---|---|
目的 | 新しく髪の毛を生やす | 今ある髪の毛を守り、健康に育てる |
対象者 | 薄毛、脱毛が進行している方 | 抜け毛、薄毛予防したい方 |
効果 | 休止している毛根を活性化 | 抜け毛を予防、太く・強くする |
代表的な成分 | ミノキシジル | センブリエキスなど |
分類 | 医薬品 | 医薬部外品、化粧品 |
副作用 | あり(頭皮のかゆみなど) | あまりない |
女性用の育毛剤のおすすめ成分
発毛剤は主にミノキシジルが主成分で、強い発毛作用がある反面、副作用のリスクが伴います。一方、育毛剤は基本的に副作用のリスクが少なく、頭皮ケアの一環として日常的に使用できる点が特徴です。
育毛剤に含まれる成分の中でも、特におすすめの成分を今回はご紹介します。
センブリエキス

センブリエキスには、血行促進効果があります。
発毛を直接促すわけではありませんが、血管を拡張することで頭皮の血流が改善され、髪の毛の成長に必要な酸素や栄養が効率よく行き渡るようになります。その結果、健康的な髪の成長が期待できる成分として注目されています。
センブリエキスは植物由来の成分であり、副作用がほとんどない点も魅力の一つです。
オランダカラシエキス(クレソン)

オランダカラシエキスには、血行促進作用や頭皮環境を整える効果があります。
オランダカラシはヨーロッパ原産の植物で、フランス語では「クレソン」と呼ばれます。ピリッとした辛みが特徴で、サラダやステーキの付け合わせとして親しまれているハーブです。
この植物には、鉄分、カルシウム、カリウム、葉酸などの栄養素が含まれており、血流を促進することで毛根に必要な酸素や栄養が届きやすくなり、髪の成長をサポートするとされています。そのため、育毛剤やスカルプケア製品の成分としても多く活用されています。
さらに、抗酸化作用のあるビタミンCやβ-カロテンも含まれており、頭皮の老化を防ぎ、健康な髪の維持をサポートします。食事にクレソンを取り入れることで、内側からの髪と頭皮のケアも期待できるでしょう。
オランダカラシは食用としても安全なハーブであり、副作用がほとんどない点も魅力のひとつです。
アデノシン
アデノシンには、毛母細胞を活性化する効果があります。毛母細胞は、血液によって運ばれた栄養素から髪を生み出すため、毛母細胞の活性化が発毛促進に繋がります。
特に髪の毛の成長サイクル「成長期」に働きかけ、その期間を延ばすことで、以下のような効果が期待できます。
- 髪を太くする
- 髪の密度を高める
- 髪の成長速度を促進する
そのため、健康的でボリュームのある髪を育てるサポート成分として注目されています。
アデノシンは副作用のリスクが極めて低い成分であり、他の成分との相性も良いため、育毛剤によく配合される成分のひとつです。ただし、まれに頭皮のかゆみやアレルギー反応が起こることがあるため、使用中に異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、必要に応じて専門家に相談することが推奨されます。
グリチルリチン酸
グリチルリチン酸は、抗炎症作用の効果があります。
抗炎症作用があることから、頭皮の炎症やかゆみを抑える目的で育毛剤に配合されていることが多いです。頭皮が炎症を起こしたり、かゆみが生じたりすると、脱毛症や抜け毛、白髪の原因につながる可能性があります。グリチルリチン酸は、頭皮環境を整えることで健康的で質の良い髪の成長をサポートします。
さらに、体内の酸化を防ぐ作用もあり、活性酸素などの有害物質による酸化ストレスから頭皮を守ることで、髪の健やかな成長環境を維持するのに役立ちます。
最後に

いかがだったでしょうか?育毛剤と発毛剤はよく聞く言葉ですが、「一緒でしょ?」と思っていた方も多いかもしれません。
実際、育毛剤と発毛剤は薄毛や抜け毛対策として似た意味合いを持つかもしれませんが、大きな違いは「医薬品」と「医薬部外品」という分類にあります。さらに、育毛剤は「今ある髪を守り育てる」ためのもの、発毛剤は「新しく髪を生やす」ためのものという点でも異なります。
もし薄毛が進行していて頭皮が見えている方には、発毛剤の使用が効果的かもしれません。一方、髪の抜け毛が少し増えてきた、髪のハリやコシを良くしたい、将来的な抜け毛が心配な方には、育毛剤の使用が適しています。
また、育毛剤は副作用のリスクが低いとお伝えしましたが、過剰使用や炎症、かゆみがある状態での使用は逆効果になる可能性があるため、使用方法を守り、頭皮環境が悪い場合は医師に相談することをおすすめします。
参考になれば幸いです。