食事
【春におすすめ】旬の食材を使って身体も髪も健康に

前回は、「美しい髪は、健康な身体を土台にして生まれるもの」ついてお伝えしました。
まさに「食べたもので身体はできている」という言葉の通り、私たちの身体は毎日の食事から成り立っています。健康的な髪の毛を育てるためには、まずは健やかな身体づくり、そしてそれを支える栄養バランスの取れた食生活が欠かせません。
今回は、春におすすめの食材の中から、美しい髪を育てるために役立つものをご紹介しながら、この季節にぴったりの旬の料理についてもお話ししていきたいと思います。
旬の食材を食べよう

旬の食材は栄養価が高く、季節ごとに最も必要とされる栄養素が豊富に含まれているので、日々の健康を維持するのにとても役立ちます。
- 免疫力や抵抗力を高める
- 旨味や香りが豊かで美味しいので、素材そのものの味わいを楽しめる
- 食卓で季節を感じられ、楽しい会話が生まれる
旬の食材は良いことづくしです。是非、積極的に摂り入れたいものです。
身土不二(しんどふじ)
日本には「身土不二」「地産地消」という似たような言葉があります。
「身土不二(しんどふじ)」とは、人の身体とその人が暮らす土地は切り離せない存在であり、その土地の風土に合った自然の恵みをいただくことで、心身ともに健やかに生きられるという考え方です。
この思想は、日本の伝統的な食文化の根幹にも通じており、「地産地消」や「スローフード」、さらには「マクロビオティック」といった現代の食のあり方にも深くつながっています。
中でも、自然が育む「旬」の食材をいただくことは、季節の巡りを感じながら、身体に無理なく栄養を取り入れる大切な習慣とされています。
地産地消(ちさんちしょう)
「地産地消(ちさんちしょう)」とは、地元で生産されたものを地元で消費するという考え方です。身近な地域で採れた新鮮な農産物を手に入れることができるのは、大きな魅力のひとつです。
地元で育った旬の食材は、その土地の気候や風土、そして私たちの生活環境と調和したもの。そうした食材を、郷土の味としていただくことは、身体にも心にも自然な形で馴染み、理にかなった食のあり方だといえるでしょう。
もちろん、現代では環境の変化やライフスタイルの多様化により、さまざまな価値観や食の選択肢があります。ですが、大切なのは「こうしなければならない」と決めつけるのではなく、自分に合った考えや食べ方を柔軟に取り入れること。
そして、必要なときに取り出せるよう、頭の片隅にそっとしまっておく「知恵の引き出し」をいくつか持っておくのも、心豊かな暮らしのヒントになるかもしれません。
春の訪れを食卓に

日本人は、草木や自然のすべてに対して、できるだけふれあい、調和して暮らしたいという「和」の心を大切にしてきました。
たとえば、お花見ひとつをとっても、海外では花を上から眺めたり、横から鑑賞するのが一般的ですが、日本では、桜や梅の木の下に入り、花に包まれるようにしてその美しさを味わいます。それは、花の命にふれることで、その美しさや儚さを、まるで自分の心に取り入れるかのような感覚なのかもしれません。
通勤や通学の途中、いつもの散歩道にも、春はそっと顔をのぞかせています。可憐に咲く桜の花、地面からひょっこり顔を出すつくしやふきのとう。そうした小さな春の兆しを、食卓でも感じられるようにしたいです。
冬の寒さをじっと耐え抜き、ようやく春の陽射しを浴びて芽吹いた、生命力あふれる春野菜。
春野菜の種類
- 水分をたっぷり含んで甘みのある新玉ねぎ
- 皮ごと食べられる新じゃがいも
- みずみずしい新キャベツ
- 香り豊かなたけのこ
- そら豆
- グリーンピースなど
旬の恵みがもつエネルギーを、まるごといただきましょう。身体の中から春が広がっていくような、そんな喜びがきっと感じられるはずです。
春の代表的食材を使って、そら豆ご飯を作ろう!

そら豆には髪の毛のもとになる、タンパク質と髪の成長を助ける亜鉛が豊富に含まれています。特に亜鉛は、美しい髪のための成長に関わっていて、皮膚、爪、髪を美しく保ためには必須のミネラルです。
その「そら豆」を使った、そら豆ご飯を作ってみましょう!
材料
- 4人分
- 米…2合
- 水…炊飯器の2合の目盛りのとおり
- そらまめ…さやで10本~15本位
- 酒…大1
- 塩…小1
- 昆布…10センチ位
作り方
- そらまめをさやから出します。皮を剥き、さらに筋に沿って縦半分に割ります。
- お米を研ぎ、いつもの分量の水・お酒・塩・昆布を入れ炊飯器で炊きます。(昆布がなければ塩昆布を入れても、OK。)
- 炊き上がりの10分くらい前に、炊飯器をさっと開けて、火傷に注意しながら急いでそらまめを入れます。(すぐに蓋を閉めましょう。)
- 炊き上がったら、数分蒸らし、しゃもじでふっくら混ぜて、できあがり。
そら豆のいいところ

髪の毛は、「ケラチン」というたんぱく質でできています。
このケラチンを体内で合成するためには「亜鉛」が必要不可欠。亜鉛が不足してしまうと、ケラチンの合成がうまくいかず、髪の成長にも影響が出てしまうことがあります。
そんな亜鉛を豊富に含んでいる春野菜のひとつが「そら豆」です。実は、そら豆は野菜の中でもトップクラスの亜鉛含有量を誇り、髪の健康はもちろん、肌荒れやニキビの予防、さらには味覚障害の予防にも効果が期待されています。
塩茹でしてシンプルに味わうのも良いですし、さやごと香ばしく焼いていただくのもおすすめ。春の恵みを感じながら、心と身体にうれしい栄養をたっぷり取り入れてみてくださいね。
最後に
今回は、春におすすめの、美しい髪のために役立つ食材や、旬の料理についてお話ししました。春の食材はこのほかにもたくさんあり、どれも季節の恵みをたっぷり含んでいます。
次回は、「まごわやさしい」と呼ばれる身体にやさしい食材と、春の旬食材を組み合わせながら、美しい髪づくりに役立つお話をお届けする予定です。
満開の桜を眺めながら、旬の食材を詰めたお弁当を持ってお花見を楽しむ。この季節ならではの楽しみかもしれませんね。