成分原料
髪の毛に欠かせないケラチンとは?ヘマチンとの違いについて

美しい髪を保つためには何を体に取り入れる必要があると思いますか?実は鍵となるのが『ケラチン』という成分です。聞いたことがあるけどイマイチよく分からない方、一度も聞いたことがない方もいるかと思います。
今回は髪の毛の構造、美容業界でも注目されているケラチンとは?ヘマチンとの違いについて分かりやすく解説します!
目次
髪の毛の構成

髪の毛は外側から、「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層で構成されています。髪の毛の主成分は85~90%がタンパク質で、その大部分を占めるタンパク質が「ケラチン」です。
外側のキューティクルは、重なり合うウロコ状の細胞で構成されており、健康なキューティクルは滑らかで光沢があり、ダメージがあるとザラつき、切れ毛や枝毛の原因となります。
コルテックスは、髪の主成分を占める部分で85~90%がケラチンで構成されています。コルテックスにはメラニン色素が含まれており、ここで髪の色が決定されます。成分構成や水分量などで髪の強度、弾力性が決まる層でもあります。
メデュラは、柔らかいタンパク質や空気で満たされており、詳しい役割は分かっていません。一部の細い髪にはメデュラが存在しない場合もあります。
ケラチンとは

髪の毛の主成分は85~90%がケラチンというお話を先ほどしましたが、さらに詳しく解説します。
ケラチンとは、複数のアミノ酸が結合してできた繊維状のタンパク質で、髪の毛の強度や弾力を支える重要な役割を持っています。このケラチンは、髪の毛だけでなく、爪や皮膚などの体のさまざまな部分を構成するタンパク質の一種でもあります。
ケラチンの主な働き
ケラチンが髪の毛で果たす働きは、髪の健康と美しさを維持するために非常に重要です。主な働きは以下の通りです。
ケラチンの主な働き | 説明 |
---|---|
髪の毛の構造を作る | 複数のアミノ酸がケラチンと結合して髪を作る |
髪の毛の強度を高める | ブラッシングやドライヤーの熱などから守る役割 |
髪の毛のしなやかさを保つ | 髪に柔軟性や弾力性を与え、しなやかに髪が動く役割 |
髪の毛の表面を滑らかにする | 髪をコーティングして滑らかさと光沢を保つ役割 |
水分の保持 | 乾燥やパサつきを防ぎ、健康的な髪を維持する役割 |
ケラチンが不足すると…
ケラチンが不足すると髪の毛にはこんな影響があります。
症状 | 説明 |
---|---|
乾燥 | 髪が水分を保てなくなりパサつく |
切れ毛・枝毛 | 髪が弱くなり、簡単に切れたり裂けたりする |
ツヤの低下 | キューティクルが損傷し、髪がくすんで見える |
脱毛・薄毛 | 髪の根元でケラチンが作られなくなると脱毛が進む |
ケラチン不足を守る方法

ケラチンが不足しないようにするためには、日々の心がけが重要です。抜け毛を増やさないためにも、キューティクルを傷めない適切なケア方法を知っておきましょう。
髪を傷めないよう心がる
髪の毛は熱に弱いため、過度にヘアアイロンを使用したり、ドライヤーで同じ部分に熱い風を当て続けることは避けましょう。これらの行為は髪の主成分であるケラチンを変性させ、髪の強度や弾力を損なう原因になります。
食べ物からケラチンを生成

髪の毛の健康を保つためには、タンパク質やアミノ酸を含む栄養素を食べるようにしましょう。主な食品は以下の通りです。
- タンパク質:肉、魚、卵、大豆など
- ビタミンB群(特にビオチン):卵黄、ナッツ、全粒穀物
- 亜鉛:魚介類、ナッツ、豆類
- 硫黄含有アミノ酸(システイン、メチオニン):ニンニク、玉ねぎ、ブロッコリーなど
偏らないように、まんべんなく食べることを心がけましょう。特定の栄養素や食品ばかりに頼るのではなく、バランスの取れた食事が髪の毛だけではなく健康や美容を支える基盤にもなります。
ヘマチンとは?ケラチンとの違い
ヘマチンとケラチンはどちらも髪の毛に関わる成分ですが、性質や働きは異なります。
ケラチン | 髪の毛の主成分で強度や弾力を支える役割 |
ヘマチン | ダメージを受けたケラチンと結合して髪の補修を助ける役割 |
ヘマチンは、髪や頭皮の老化を抑える抗酸化作用があり、カラーやパーマ後のダメージを軽減する働きがあります。分かりやすく説明すると「ヘマチンはケラチンの働きをサポートしたり髪や頭皮の健康を維持する効果」があります。
ケラチンは、食事から取り入れることも可能ですが、髪に反映されるまでに時間がかかります。そのため、トリートメントやシャンプーにケラチンが配合されている商品を使用することで、より速く効果を実感できる場合があります。即効性は高いですが、一時的な補修が中心となっています。
ヘマチンは、カラー・パーマ後のダメージケア用の製品や、育毛シャンプー、スカルプケア製品に含まれることが多く、効果は徐々に現れることが多いです。
ケラチンとヘマチンは同時に使用可能か?

ケラチンとヘマチンを一緒に使用すると相乗効果があり効果が高まります。
ヘマチンで髪の内部を整えた後、ケラチンを使用することで補修成分が髪にしっかりと定着しやすくなります。ケラチンは髪の強度を高めたり、表面を滑らかにする効果があるため、ヘマチンの後にケラチンを使用すると効率よく髪の健康をサポートできます。
まとめ

いかがでしたでしょうか?髪の主成分である「ケラチン」は、タンパク質からできており、髪の強度を高めたり、滑らかさや光沢を保つために重要な役割を果たしています。ケラチンは髪にとって欠かせない成分であることがお分かりいただけたのではないかと思います。
ケラチンが不足すると、髪が切れやすくなったり、パサつきの原因となります。また、脱毛症を引き起こす可能性もあります。そのため、ヘアアイロンの過剰な使用や、ドライヤーで同じ部分に熱風を当て続けることは避けましょう。さらに、タンパク質を含むバランスの取れた食事を心がけることも大切です。
また、ケラチンとヘマチンを配合したヘアケア商品を併用することで、さらに髪の健康を保つ効果が期待できます。
ご参考になれば幸いです。