薄毛
女性の薄毛はいつから?男性と女性の薄毛の種類について解説!

「薄毛」は、男性だけでなく女性にも共通して起こりうる悩みなのをご存知ですか?男性特有の問題と思われがちですが、女性にも薄毛は珍しくありません。ただし、男性と女性では薄毛の種類や特徴、原因、進行の仕方が異なる場合があります。
ここでは、女性の薄毛はいつから起こるのか、薄毛の原因とは、女性と男性に見られる薄毛の種類について詳しく解説します!
目次
女性の薄毛は何歳から?

女性が薄毛に悩まされる年齢は、30~40代と言われています。特に出産や閉経などホルモンバランスが変化する時期に髪が薄くなりやすいです。ただし、20代でも薄毛になる可能性があり、ストレス、過度なダイエット、不規則な食生活、過度なヘアカラーやパーマなどが原因で、早ければ10代後半から薄毛が始まることもあります。
女性の薄毛の原因は?
薄毛の原因は一般的に、ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活、栄養不足、ストレスなどが薄毛に影響します。閉経後は女性ホルモンが減少し、男性ホルモンの影響で髪が細くなり、抜け毛が増えやすくなります。また、自律神経の乱れ、喫煙、過度な飲酒、睡眠不足も原因です。
日常生活を改善することで対処できますが、加齢による薄毛には、皮膚科や専門クリニックの受診、育毛剤やサプリメントの使用も検討が必要です。
女性の代表的な薄毛の種類
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は、女性の脱毛症の中で最も多く発症し、髪全体が薄くなるのが特徴です。「びまん」とは「一面に広がる」という意味で、部分的に薄くなるというより、頭皮全体で髪が抜けたり細くなったりする状態を特徴としています。ゆっくり進行するため、きずいたら「薄くなってる」場合が多いです。
びまん性脱毛症は早期の対策で進行を遅らせたり改善したりすることが可能です。
女性男性脱毛症(FAGA)

女性男性型脱毛症とは、FAGA(エフエージーエー)と呼ばれており、「Female(女性) Androgenetic (男性ホルモン) Alopecia (遺伝)」の略で、女性に見られる進行性の脱毛症のことです。
頭頂部や分け目を中心に髪が薄くなり、時間とともに薄毛が進行するのが特徴的です。FAGAは、前髪の生え際が大きく後退することはほとんどなく、完全に髪が抜けることは少ないです。
POINT:FAGAとびまん性脱毛症の違い
- 女性男性脱毛症(FAGA):頭頂部や分け目を中心に薄くなる
- びまん性脱毛症:髪全体が薄くなる
FAGAは完全に治すことは難しいですが、進行を遅らせたり改善を目指す治療法はあります。
牽引(けんいん)性脱毛症

牽引(けんいん)とは「引っ張る」という意味で、ポニーテールやエクステなどで髪を強く引っ張ることで頭皮に負担がかかり、脱毛を引き起こす症状です。
髪を長時間引っ張ると、血行不良が起こり頭皮に負担をかけ、部分的に薄くなったり髪が生えてこなくなることがあります。特に、学校行事や会社の方針で髪を束ねることが多い方は、牽引性脱毛症になりやすいので注意が必要です。
対策としては、髪をおろす時間を増やす、束ねる位置を変える、頭皮マッサージをするなどが効果的です。
産後脱毛症
出産後に髪が薄くなることを産後脱毛症と言います。また「分娩後脱毛症」とも呼ばれています。
妊娠中に体の中の女性ホルモン(エストロゲン)が増え、このエストロゲンが髪を抜けにくくする働きがあります。赤ちゃんが生まれると、エストロゲンの量が減り「妊娠中に抜けるはずだった髪」がまとめて一気に抜けます。
POINT
- 産後脱毛症は一時的なもので、赤ちゃんを産んでから半年~1年で元に戻るので気にしすぎないことが一番!
男性の代表的な薄毛の種類
男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症とは、AGA(エージーエー)とも呼ばれており、「Androgenetic(男性ホルモン) Alopecia(遺伝)」の略で男性に起こる進行性の脱毛症のことです。名称の通り、男性ホルモンと遺伝が原因と言われています。
AGAは、おでこや頭頂部から薄くなるのが特徴的で大きく3つの症状があります。
- 前頭部からくるM字型脱毛
- 頭頂部からくるO字型脱毛
- M字型とO字型が同時に進行し、広範囲で薄くなる脱毛(M字型+O字型の複合体のU字型脱毛)
AGAは、症状が軽度から重度に進むにつれて変化します。主に「ノーウッド・ハミルトン分類」を基準に7段階に分けられます。以下に詳しく説明します。
男性型脱毛症(AGA)の進行7段階
AGAの進行段階 | 症状 |
---|---|
ステージ1(初期段階) | ほとんど変化はないが髪の密度が減ったように感じる |
ステージ2 | M字型のシルエットがわずかに現れる |
ステージ3 | M字型が際立ち、額が広く見えるようになる |
ステージ4 | M字型が深くなり、前頭部の髪がかなり少なくなる |
ステージ5 | 前頭部と頭頂部の薄毛が徐々につながる |
ステージ6 | 頭頂部から前頭部にかけて髪がほとんどなくなる |
ステージ7(末期段階) | 頭部の大部分が髪を失い、典型的な「U字型」の状態 |
初期段階のステージ1は気付きにくいことが多いですが、少しでも気になる場合は専門医に相談するのがおすすめです。多くの場合、ステージ3でAGAと診断され、治療が始まることが一般的です。
脂漏(しろう)性脱毛症
脂漏(しろう)性脱毛症は、頭皮の脂が多く出すぎることで髪が抜けやすくなる脱毛症です。頭皮の脂が多く出てしまうと、細菌や真菌(カビ)が増え頭皮に炎症がおきます。それが原因で薄毛や抜け毛が進行します。
原因としては、ストレスや疲れ、脂っこい食事、甘いものの食べ過ぎ、合わないシャンプーや整髪料の使用などが考えられます。また、頭皮の洗いすぎや洗わなすぎる場合も脂漏性脱毛症になる可能性があります。主な症状は、頭皮のべたつき、ベタベタしたフケ、頭皮の炎症や赤みなどがあります。
対策として、頭皮に優しいシャンプーを選ぶ、バランスの良い食事、医療機関で抗真菌剤を処方してもらうなど早期に対処することで改善が期待できます。
女性と男性の共通の薄毛
円形脱毛症

円形脱毛症は、円形や楕円形の髪の抜けた部分(脱毛斑)ができることから名付けられた脱毛症です。多くの場合、突然髪が抜け、痛みやかゆみはありませんが、軽い違和感を感じることがあります。正確な原因は解明されていませんが、自己免疫反応が関与していると考えられています。
自己免疫反応とは別に、心理的ストレスや身体的ストレス、遺伝(家族歴)、アトピー性皮膚炎などが原因として挙げられています。
円形脱毛症には3つのタイプがあります。
タイプ | 症状 |
---|---|
限局型 | 1~数か所に限られた小さな脱毛斑 |
全頭型(トータル型) | 頭髪がほぼすべて抜ける |
汎発型(ユニバーサル型) | 頭髪だけでなく全身の毛が抜ける |
軽い場合は自然に治ることもありますが、繰り返すこともあります。早めに治療を始めると改善しやすいです。
粃糠(ひこう)性脱毛症
粃糠(ひこう)性脱毛とは、大量のフケが発生し、頭皮環境が悪化することで起こる脱毛症です。
特徴的な症状として、カサカサした白いフケが大量に出る、頭皮がかゆい、赤くなるなどがあります。
POINT
- 脂漏(しろう)性脱毛症はベタベタしたフケが出るのが特徴で、粃糠(ひこう)性脱毛症はカサカサしたフケが出る点が異なります
粃糠性脱毛症は、頭皮の環境を整えることで改善が期待できます。放置すると脱毛が進行する可能性があるため、気になる症状があれば早めにケアや治療を始めることが大切です。
まとめ
薄毛にはさまざまな種類があり、男性では主にAGAが原因となりますが、女性は薄毛の原因がより多様です。ホルモンバランスの乱れ、過度なダイエット、髪を引っ張る髪型を長時間続けることなどが薄毛の原因になることがあります。
全体的に薄毛の原因は、睡眠不足、栄養不足、頭皮環境の悪化、髪の洗いすぎ、ストレス、遺伝などがあります。脱毛症の種類によって対処法は異なりますが、生活習慣を見直すことで防げる場合もあります。
気になる場合は、早めに皮膚科や専門クリニックで診断を受けることが大切です。また、育毛剤を使うなど適切なヘアケアを心がけましょう。